プラモデル制作、それは単なる趣味を超え、没頭と創造の旅となる活動です。私はガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」に魅了され、日々その魅力を深く感じています。
休みの日には息子の机を借りて作業を進めます。ガンプラ制作は、気軽に完成するものではなく、1体のモデルを仕上げるのに3~5か月ほどの時間を要します。この過程で私が特に楽しんでいるのは、自分の理想に合わせたカスタマイズができる点です。足を延長したり、腰の形状を改造したりして、自分のこだわりを詰め込んだガンプラを仕上げる。そのプロセスの中には地味でしんどい作業もありますが、完成したときの達成感と喜びは格別です。完成したガンプラをアクリルケースに飾り、眺めるひとときは何にも代えがたい満足感を与えてくれます。
しかし、ガンプラ愛好家にとって避けて通れない「積みプラ」という現象をご存じでしょうか。これは、プラモデルを次々と購入して積み上げることで生じる現象です。私自身、少なからず「積みプラ」状態に陥っています。その背景には、2019年の新型コロナウイルスの流行があります。多くの人々が自宅で趣味を楽しむようになり、ガンプラの需要が急増しました。それに加え、ガンダムの知名度が海外で拡大したことが拍車をかけ、ガンプラの品薄状態が続いています。さらに転売目的での購入が増え、入手困難な状況が深刻化しました。地元長崎のおもちゃ屋や模型店を巡っても、ガンプラがほぼ手に入らない現状です。例えば、私が今最も欲しいガンプラは、定価の3倍の価格でしか購入できない状態にあります。
こうした状況下では、再販されたときやインターネット通販・オークションで定価に近い価格で手に入れるため、どうしても購入を急いでしまい、その結果「積みプラ」の山が増えてしまいます。必要性と希少性の狭間で悩みつつも、これもガンプラ愛好家の宿命でしょう。
家族や友人がこの趣味に関心を示さないこともあり、ガンプラ制作は自己満足の世界となっています。しかし、それが私にとっては何よりも充実した時間であり、自分だけの理想を追求できる喜びです。これからもカッコいい理想のガンプラを作り続け、この趣味を究めていきたいと思います。そのひとつひとつが私自身の小さな芸術作品であり、私の物語の一部となるのです。



